「21世紀文化論」越後谷卓司先生 特別講義

芸術学科科目「21世紀文化論」では、専任教員がさまざまな分野からゲストを招き、特別講義を実施しています。
5月11日には、今年度から芸術学科教授となられました、越後谷卓司先生による講義が行われました。今回は先生の自己紹介も兼ね、これまでの先生のお仕事についてお話をうかがいました。

越後谷先生は多摩美芸術学科を卒業されており、本学にご就任になる前、愛知芸術文化センターにある愛知県文化情報センターと愛知県美術館の学芸員として、「アートフィルム・フェスティバル」の上映会や「オリジナル映像作品」などの企画を手がけられていました。

講義の前半では、越後谷先生が芸術学科に在学されていた時のエピソードについてお話いただきました。その一つに挙げられたのが「TAMA VIVANT」。当時、芸術学科では「プロデュースコース」という科目があり、そこで「TAMA VIVANT」展が企画されていました。学生たちは、当時の芸術学科教授、故・東野芳明先生の指導のもと、「今注目すべき若手作家」を選び、「TAMA VIVANT」展を企画しました。越後谷先生はこの企画でアーティストの出光真子氏をお招きし、出光氏のアシスタントとして現場の仕事に関わることで、そこでの経験をその後の仕事に役立てられたそうです。

講義の後半では、越後谷先生が愛知芸術文化センターで手がけられたお仕事について、愛知県文化情報センター・愛知県美術館の「オリジナル映像作品」を紹介いただきました。「オリジナル映像作品」は、毎年一人ずつ作家を選出し、その作家に一本の映像作品を制作してもらうという形式で進められており、今年で32作目を迎えます。このプロジェクトには、本学油画専攻教授の石田尚志先生や芸術学科非常勤講師の七里圭先生も制作に携わられています。各作品の特徴や選出にまつわるエピソードなど、さまざまなお話をうかがいました。

「映像は他の芸術のジャンルに比べて歴史が浅いです。しかし、それは年齢や経歴等の壁が比較的低く、作品を通じて共感しやすいので、誰とでも仲良くなれるというメリットを持っていることですから、もし映像に興味を持っている学生がいたら、ぜひその特徴をうまく活用してみてください」

講義の最後、映像研究者として越後谷先生が芸術学科生に向けられたメッセージに、会場からもさまざまな質問が寄せられ、学生たちの映像への関心の高さがうかがえました。